2026年8月10日(月)
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編集長の儲け話

【検証】ガス代を株主配当だけで払えるのか-ガス株編-

毎月必ず出ていく固定費の一つに、ガス代があります。

スマホ代、電気代に続いて、今回はガス代です。電気代ほど大きくならない家庭も多い一方で、冬場の暖房、給湯、料理、浴室乾燥などを使う家庭では、月5,000円から1万円前後になることもあります。

では、このガス代を株主配当だけで払うことはできるのでしょうか。今回は、NISAの成長投資枠でガス株を購入し、その配当金で月5,000円のガス代をまかなう場合を試算してみます。

シリーズ:
【検証】スマホ代を株主配当だけで払えるのか-通信株編-
【検証】電気代を株主配当だけで払えるのか-電力株編-

ガス代は年間で見ると意外と大きい

今回は、ガス代を月5,000円、年間6万円として試算します。一人暮らしや使用量が少ない家庭では、月3,000円前後に収まることもあります。一方で、家族世帯や冬場の使用量が多い家庭では、月1万円前後になることもあります。

月1万円の場合、年間のガス代は12万円です。そのため、必要な配当金も6万円ではなく12万円となり、必要株数や投資額もおおむね2倍になると考えてください。

月5,000円というと、毎月の支払いとしては大きく見えないかもしれません。しかし、年間で見ると6万円。10年続けば60万円。20年続けば120万円です。こうして見ると、ガス代も立派な固定費です。

家計を見直すなら、省エネや料金プランの確認も大切です。ただ、もう一つの考え方があります。それは、ガス会社の株を持ち、その配当金でガス代を払うという考え方です。つまり、ガスを使うだけの立場から、ガス会社の株主にもなるということです。

今回の前提

今回対象にするのは、ガス株として分かりやすい以下の3銘柄です。

・東京ガス
・大阪ガス
・東邦ガス

株価は2026年6月19日の終値を使います。配当は各社の公表している年間配当予定・予想をもとに計算します。また、NISAの成長投資枠で購入し、配当金を非課税で受け取る前提とします。

通常の特定口座では、配当金に税金がかかります。たとえば年間6万円の配当を受け取っても、税引後の手取りは約4万8,000円程度になります。これでは月5,000円のガス代、年間6万円をまかなうには足りません。

一方、NISA口座で保有し、配当金を非課税で受け取れる設定にしていれば、年間6万円の配当をそのままガス代に回すことができます。配当で固定費を払うことを考えるなら、NISAを使う意味はかなり大きいです。

月5,000円のガス代を配当で払うには?

月5,000円のガス代を年間配当で払うには、年間6万円の配当金が必要です。では、ガス株をどれだけ持てばよいのでしょうか。

100株単位で購入する前提で、必要株数を切り上げて計算すると、次のようになります。

銘柄 年間配当 必要株数 必要投資額 年間配当額
東京ガス 1株120円 500株 約309万円 60,000円
大阪ガス 1株130円 500株 約271万円 65,000円
東邦ガス 1株22.5円 2,700株 約330万円 60,750円

数字だけを見ると、最も少ない投資額で年間6万円の配当に届くのは大阪ガスです。

大阪ガスの場合、必要株数は500株。2026年6月19日終値の5,410円で計算すると、必要投資額は約271万円です。東京ガスも必要株数は500株ですが、株価が6,178円のため、必要投資額は約309万円になります。

東邦ガスは1株あたりの配当が22.5円なので、必要株数は2,700株です。株価1,220.5円で計算すると、必要投資額は約330万円になります。

スマホ代編と比べると、必要な投資額はかなり大きくなります。スマホ代を月5,000円として考えた場合は、通信株で150万円前後から見えてくるケースもありました。しかし、ガス代を月5,000円として配当でまかなう場合は、今回の試算では270万円から330万円ほどの投資元本が必要になります。

月1万円なら必要額はおおむね2倍

今回は月5,000円のガス代を基準にしています。もし冬場の使用量が多い家庭や、家族世帯で月1万円前後かかっている場合、年間のガス代は12万円になります。

その場合、必要な配当金も6万円ではなく12万円です。つまり、必要株数や投資額もおおむね2倍になります。大阪ガスであれば約541万円。東京ガスであれば約618万円。東邦ガスであれば約659万円規模です。

ここまで来ると、かなり大きな資金が必要になります。配当だけでガス代を払うことは計算上は可能です。しかし、固定費が大きくなるほど、必要な元本も一気に重くなります。だからこそ、投資と同時にガス代そのものの見直しも重要です。

配当で払う仕組みを作ることと、固定費を下げること。この両方を進めることで、家計への効果はより大きくなります。

NISA成長投資枠だけで一気に作るのは難しい

ガス代編で注意したいのは、必要な投資額がNISA成長投資枠の年間240万円を超えることです。月5,000円のガス代を配当で払うには、今回の試算では約271万円から約330万円が必要になります。

つまり、NISAの成長投資枠1年分だけでは足りません。この場合は、複数年に分けて買い増していく考え方になります。1年目に一部を購入し、2年目、3年目と少しずつ積み上げていく。あるいは、まずは1ヶ月分、次に3ヶ月分、半年分というように、目標を小さく区切る方が現実的です。

配当投資は、一気に完成させるものではありません。時間をかけて、固定費を少しずつ配当で置き換えていくものだと思います。

注意したいのは減配と株価下落

もちろん、配当でガス代を払うという考え方には注意点もあります。まず、配当金は確定したものではありません。今回使った数字は、各社が公表している予定・予想です。業績が悪化すれば、将来的に減配される可能性もあります。

また、株価が下がれば、配当金を受け取っていても評価損が出ることがあります。年間6万円の配当を受け取っても、株価がそれ以上に下がれば、資産全体ではマイナスになることもあります。

ガス会社は生活インフラに近い事業ですが、決してリスクがないわけではありません。原料価格、為替、電力事業、自由化による競争、設備投資、規制、災害など、多くの要因に影響を受けます。「ガス株だから安全」と決めつけるのは危険です。

配当利回りだけで選ぶのではなく、その会社が長期的に安定して利益を出せるのかを見る必要があります。

まずは1ヶ月分のガス代を目標にする

いきなり年間すべてのガス代を配当で払おうとすると、必要な投資額はかなり大きくなります。しかし、まずは1ヶ月分のガス代を配当で払うと考えれば、現実味が出てきます。

月5,000円のガス代なら、年間5,000円の配当があれば、1ヶ月分をまかなえます。東京ガスなら100株で年間12,000円。大阪ガスなら100株で年間13,000円。東邦ガスなら300株で年間6,750円。これなら、最初の目標としては分かりやすいはずです。

投資は一気に生活費をゼロにするものではありません。まずは1ヶ月分。次に3ヶ月分。そして、いつか年間分。このように固定費を少しずつ配当で置き換えていく考え方の方が、長く続けやすいと思います。

📝 編集長メモ

ガス代を月5,000円、年間6万円として試算すると、大阪ガスで約271万円、東京ガスで約309万円、東邦ガスで約330万円の投資額が必要でした。スマホ代より必要元本は大きくなりますが、ガス代を払う側から、ガス会社の配当を受け取る側へ視点を変えるきっかけにはなります。

💰 編集長の儲け話

私がガス株に投資するなら、単に「ガス代を配当で回収する」だけでは見ません。見るのは、配当利回り、株主還元、そして電力・LNGなど周辺事業の成長余地です。ガス会社はインフラ株でありながら、電力販売や海外エネルギー事業もあります。配当を受け取りながら、AI需要から連なるエネルギー需要の伸びや株主還元の強化も狙えるなら、固定費対策以上の投資妙味があります。

※本コーナーは編集長個人の見解です。投資等の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。

桜坂武志

桜坂武志

もこもコラム 編集長

💰 編集長の儲け話 特集

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