2026年8月10日(月)
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編集長の儲け話

オルカンとS&P500、どちらが強いのか。100万円で比較

NISAを始めようと思った時、多くの人が一度は悩むのが「オルカンとS&P500、結局どちらを買えばいいのか」という問題です。

どちらも人気の投資信託であり、長期投資の定番商品として知られています。しかし、実際にどの程度の差があるのかは意外と知られていません。

そこで今回は、過去5年と過去1年の実績を振り返りながら、100万円を投資していた場合にどのような結果になっていたのかを見てみたいと思います。

まず結論。過去5年ではS&P500が優勢

過去5年間を振り返ると、リターンという意味ではS&P500に軍配が上がります。

2020年代前半はアメリカの巨大IT企業が世界市場をけん引しました。Apple、Microsoft、NVIDIA、Amazon、Metaなどの企業が急成長し、AIブームも追い風となりました。S&P500はこうした企業の影響を強く受けるため、株価上昇の恩恵を大きく受けています。

仮に5年前に100万円を投資していた場合、

・オルカン:約260万円
・S&P500:約285万円

程度になっていた計算です。もちろん購入日によって結果は変わりますが、概ねS&P500の方が高いリターンを実現してきました。

この結果だけを見ると、「やはりS&P500が正解だったのでは?」と思う人もいるかもしれません。しかし、話はそれほど単純ではありません。

直近1年では差がほとんどない

直近1年間の成績を見ると、状況は少し変わります。オルカンとS&P500の騰落率はほぼ同水準で推移しており、時期によってはオルカンが上回る場面もありました。

例えば100万円を1年前に投資していた場合、

・オルカン:約143万7千円
・S&P500:約143万1千円

程度になります。差額は約6千円です。100万円を運用していて差額が6千円しかないのであれば、実質的には誤差と言っても良いでしょう。

過去5年では大きな差があったにもかかわらず、なぜ直近1年では差が縮まったのでしょうか。

理由① 新興国株の上昇

オルカンは世界中の株式に投資する商品です。そのためアメリカだけでなく、インドや台湾、ブラジルなどの新興国市場も組み入れられています。

近年はAI需要の拡大や製造業の再編などを背景に、新興国市場にも資金が流入しました。その結果、アメリカ一極集中ではないオルカンの強みが発揮された形になります。

もし今後、世界経済の成長エンジンがアメリカ以外にも広がれば、オルカンにとっては追い風となるでしょう。

理由② 為替の影響

日本人投資家が見落としがちなのが為替です。S&P500はアメリカ株に投資しています。つまり株価が上昇しても、同時に円高が進めば利益は目減りします。逆に円安になれば利益は押し上げられます。

ここ数年は歴史的な円安局面が続きました。そのため、日本から見たS&P500の成績は、株価上昇に加えて円安の恩恵も受けていました。

一方で、最近は円高方向に動く場面も見られます。こうした局面では、複数の通貨に分散されているオルカンが有利になることもあります。投資信託の成績は、株価だけではなく為替によっても大きく変わるのです。

理由③ 配当も再投資されている

投資信託の基準価額には、組み入れ企業から受け取った配当金も含まれています。S&P500の企業は配当を出していますし、オルカンに含まれる世界中の企業も同様です。

投資信託の場合、その配当を自動的に再投資してくれるため、長期になるほど複利効果が働きます。多くの人は株価ばかりに目を向けますが、実際には配当の積み重ねも大きな利益の源泉です。長期投資で結果が出る理由の一つは、この再投資効果にあります。

結局どちらを選ぶべきなのか

ここまで見ると、過去5年ならS&P500。直近1年ならほぼ互角。という結果になります。

では、どちらを選ぶべきなのでしょうか。私自身の考えとしては、

「アメリカが今後も世界経済の中心であり続ける」

と考えるならS&P500は非常に合理的な選択です。一方で、

「未来は分からないので世界全体に分散したい」

のであればオルカンが向いています。実際のところ、将来どちらが勝つかは誰にも分かりません。5年前にAIブームを正確に予想できた人はほとんどいなかったはずです。

だからこそ大切なのは、オルカンかS&P500かで悩み続けることではなく、自分が納得できる商品を選び、積み立てを継続することだと思います。

過去の成績は参考になります。しかし、投資で最も重要なのは過去の勝者を当てることではなく、10年後、20年後まで投資を続けられるかどうかです。オルカンでもS&P500でも、長期で積み立てを続けた人が最終的な勝者になる可能性は高いのではないでしょうか。

📝 編集長メモ

オルカンとS&P500の比較記事を書くたびに思うのですが、多くの人は「どちらが正解か」を探しています。しかし実際には、過去5年で勝った商品が今後5年も勝つ保証はありません。大切なのは、自分が納得できる商品を選び、市場が下落した時も持ち続けられることです。投資で最も難しいのは銘柄選びではなく、続けることなのかもしれません。

💰 編集長の儲け話

NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」がありますが、これから投資を始める方は、まず成長投資枠でオルカンやS&P500をまとめて購入し、その後につみたてを始める方法も検討したいところです。投資は複利で資産を増やす仕組みです。同じ金額でも、早く市場に投入した資金ほど長く働きます。将来の差は銘柄選びよりも、どれだけ早く資金を投下できたかで決まることも少なくありません。

※本コーナーは編集長個人の見解です。投資等の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。

桜坂武志

桜坂武志

もこもコラム 編集長

💰 編集長の儲け話 特集

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