時計職人と不思議な帽子。古い時計を修理する職人と、彼のもとを訪れた帽子を被った人物。時間を直す人と、時間を超越した存在。精緻な工芸と不可思議さの邂逅。何が現実で、何が幻か。読み手の想像力に委ねられた、短編ファンタジー。
『ねぇおじいさん』
「なんだい」
『どうして手作りで時計を作っているの?』
『今なら機械でたくさん作れるじゃないか』
『その方が儲かるよ』
「たしかにそうだねぇ」
『じゃあなんでそうしないの?』
時計職人は作業の手を止めない。
「一つ一つ丁寧に作った方が 大事にしたいと思わないかい?」
『そうかなぁ』
『効率悪いよ』
「そうだねぇ」
チク
タク
チク
タク
工房にはたくさんの時計が並んでいた。
「時計っていうのは 時 を刻むものだからね」
『うん』
「時間なんて いくらかけても いいんだよ」
『どうして?』
「時計の針は一周したら また同じ場所へ帰ってくるだろう?」
帽子にはよく分からなかった。

オリジナル童話作家の「猫招き」です。
現在、「人生のやることリスト」というシリーズを執筆しています。
皆さんには、いつかやろうと思いながら後回しにしていることはありませんか。会いたい人、伝えたい言葉、挑戦したいこと。そんな「人生でやり残しがちなこと」をテーマにした物語です。
「いつかやろう」を「今日やろう」に変えるだけで、人生は少しだけ豊かになるかもしれません。
この物語が、誰かの背中をそっと押すきっかけになれば幸いです。気になった方は、ぜひnoteで続きをご覧ください。
猫招き | note で連載中
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