
こんにちは管理人もこです。
今回は政治のお話、重要法案等で意見が割れた際に野党が本会議で行う「牛歩」についてご紹介します。
歴史的な法案が審議される時に見られる「牛歩戦術」とは、一体…。
それではさっそく牛歩戦術について…ウォッチン!
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【牛歩とは?】
牛歩は読んで字のごとく牛の歩みのようにゆっくり進むという意です。
国会の委員会や本会議で牛が歩くようにゆっくりと歩みを進めて、投票を遅らせ審議の時間切れを狙う議会妨害の1つ。
野党が与党に数で勝てない場合に用いる事が多く、日本でも過去何度か行われた歴史があります。
牛歩をやる理由は時間切れを狙う以外にも、議会で投票中は一度外に出ると、議会が終わるまで議場へ戻れない(議会閉鎖)ことから
時間を掛けてトイレが我慢出来なくなった議員の賛成票を奪う狙いもあります。
与党はそれに対抗して大人用のおむつを履いて本会議に挑む事もあります…。
(いい大人が何やっているんだろうという感じではありますが)
近年、大人用のおむつの登場によってトイレ退室での締め出し効果は失われつつあります。
まとめると牛歩戦術は
・ゆっくり歩いて時間切れを狙う
・賛成者の議会退出を促し賛成票を減らす
ちなみに衆議院では、議長が議長職権により投票時間を制限できるので牛歩戦術は使えません。
参議院ではそのような規定がないことから、牛歩戦術が用いられることがあります。しかし参議院でも議長が投票時間を制限して投票が途中で打ち切られたケースもあります。
また、与党側は日をまたぐと投票をやり直さなくてはいけなくなるので、0時を過ぎてすぐ(日を跨いでから)投票を始めるという駆け引きをする場合もあります。
参議院では牛歩の対抗策として(?)、1998年に押しボタン式の投票装置が導入されました。
押しボタン式では数秒で投票が決定してしまうので、野党側になった場合には著しく不利になるので
議会の1/5が申し出れば押しボタンではなく罷免投票にできる、というルールを作りました。
押しボタン式の投票装置は相当な時間、議論が交わされ参議院に導入されましたが、
なぜか衆議院では押しボタンを導入されていません。
恐らく「投票の重みを感じるため」と言いつつ、そこまで議論できる時間が無かったというのが本音でしょう。
【議会を妨害する方法】
それ以外の議会の進行を妨害する方法として
・長時間演説をして時間切れを狙うフィリバスター
・議場の入口を椅子や人で封鎖しては入れないように妨害するピケ戦術
・欠席して与党の単独採決に見せかける審議拒否
・不信任決議案、及び動議の提出の乱発で審議を遅れさせる
など、一般人からみれば大人げない手法もありますが、これが現在でも行われています。
与党に徹底抗戦する!どんな手でも使う!
と野党議員が言っているのをみると、映画でありがちな食事や飲み物に毒をもったり、
ゴルゴ13のようなスナイパーに依頼したりするのかと想像を巡らせていましたが、
(一応)法律の範囲内での対抗をしているんですね(あたりまえですが)。
しかし、最近は暴行や軟禁、窃盗など犯罪紛い(というか犯罪そのもの)な妨害も起きています。
会期中の国会議員には不逮捕特権というものが有り、逮捕されないことをいいことに
むちゃくちゃする議員さんもいますね…。
それを考えれば、海外で用いられる長時間演説をして時間切れを狙うフィリバスターという妨害工作は至極まっとうに見えてしまします。
フェリバスターとはオランダ語で海賊、略奪者という意味があり、ストロム・サーモンドという方の24時間18分が世界最長!
1日中演説を続けた議員さんがいたとのことで、それはそれで尊敬です。
日本では演説の時間制限を過半数の賛成で決められるので、フィリバスターは有効な策ではありませんが、
牛歩戦術に準えてフェリバスターのことを牛タン戦術と呼ぶこともあります。
【海外の政治事情】
過去、アメリカの州議会でも押しボタン式の投票システムを導入する動きがありました。
元々、押しボタン式の投票システムは発明王トーマス・エジソンによって開発され各州の議会に売り込みが行われました。
特許まで取得して売り込みましたが、野党議員が牛歩戦術が使えなくなるという事を理由に殆ど採用されず終い。
与党側も政権交代によって野党側に回った時に牛歩戦術が必要になる事も考えられるので、
効率化よりも保身を選んだということでしょうね。
ちなみに台湾では、国会を学生が占拠して・・・というニュースが記憶に新しいですが、
若者が政治に関心を持ち始めデモが拡大している様子をみていると、
近い将来、日本でも同じことが起きるような気がしてなりません。
(それがいいか悪いかは別として。)
【まとめ】
今回は「牛歩戦術ってなに?ゆっくり歩くと何があるの?」というテーマについて解説しましたがいかがでしたでしょうか。
牛歩戦術を一言でまとめてしまえば
大人の根競べ
なのですが、それほど重要な法案がその時に審議されているということなので、
興味の無い方も少し政治の事を考える機会にしてみては如何でしょう。
そして、採決を強行する与党と、
それを阻止する野党の言動を自分の目で見て耳で聞いて、
次回の選挙の参考にできればいいのではないでしょうか。
もこが思うに政治とは、
誰かが言ったから正しいとか間違っているというものではなく
それぞれの立場の意見を聞いて、最終的に自分がどちらの意見に賛同できるのかを考えるものではないかなと思います。
【追記9/19】
前例があるため今回から参議院でも投票時間の制限をあたりまえにつけるようになったようですね。
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